EXGEL Motor Sport

EXGEL OK CHAMP 2022 – ファイナルレポート

EXGEL NEXT CUPからEXGEL OK CHAMPへと大きく変革を遂げた2021年シーズンを経て、同シリーズへの期待がさらに高まる中2022年シーズンの開幕を迎えた。

EXGEL OK CHAMPの最大の特徴は、カートの最高峰カテゴリーであるOKをタイヤワンメイクで行うことに加え、大会ごとにタイヤの指定銘柄が変わるというユニークなレギュレーションにある。目的は、よりフェアかつコンペティティブな環境を作ることで、ドライバーたちの健全な成長を支援すること。加えてスーパーGTからドライバーやコメンテーターを迎え入れるなどプロモーションにも注力し、カートの持つ魅力を発信することにも努めてきた。

2021年シーズンを圧勝で終えた野村勇斗は翌年のフランスF4参戦の機会を得た。2022年シーズンも10代半ばの成長著しいドライバーからカートで百戦錬磨のベテランドライバーまで、有力な面々が多数集まり野村勇斗に続くドライバーが出てくることも期待された。

またスーパーGTで長年トップに君臨するロニー・クインタレッリのシリーズフル参戦も、開幕前から大いに話題を集めた。同じくスーパーGTで活躍中の安田裕信はEXGEL OK CHAMPにドライバーとして参戦しながら、大会のアドバイザーとしても参画することとなった。

 

 

2022年5月22日にいよいよ迎えた開幕ラウンド。指定タイヤはダンロップで、才能と個性に溢れた25名のドライバーが、好天の鈴鹿サーキット南コースに集結した。

予選トップタイムを記録したのは14歳の加藤大翔。加藤はレース1でも堂々たる走りを魅せ完勝。NEXT CUP時代からEXGELのサポートを目指して一途に取り組んできた加藤の努力が、遂に結実する勝利となった。

続くレース2を制したのは15歳の佐野雄城。ドライバーとして急成長を遂げつつあるこの2名のドライバーが、2022年OK CHAMPの主軸になっていくであろうことを、強く予感させる開幕戦となった。

 

 

第2ラウンドは2022年7月17日に、ヨコハマタイヤのワンメイクで開催された。

天候が不安定となった鈴鹿で、予選トップに立ったのは加藤大翔。加藤はレース1でも他を寄せつけない圧倒的なペースを維持し、完全勝利。この時点で、2022年シーズンにおいては誰が加藤を止められるかに注目が集まる状況となった。

レース2は加藤がポールからスタートするも、突然の豪雨でレースが赤旗中断。難しいコンディションの中、経験豊富な朝日ターボが加藤を追い詰める展開で、一旦仕切り直しとなった。レース再開後もこの若手とベテランによる、お互い一歩も引かない間合いが続く。ドラマはレース最終盤にお互いのラインが交錯することにより訪れ、間隙を縫うようにトップに立った洞地遼大が優勝を果たした。EXGEL WORLD CHALLENGEプログラムで欧州参戦の経験も持つ洞地が、ここで一矢報いてみせた。

 

 

そして8月14日、チャンピオン決定戦となる第3ラウンドを迎えた。2022年でカートタイヤから撤退するブリヂストンが指定銘柄となった同ラウンドには、シーズン最多の32名のエントリーを集めることとなった。

予選トップタイムを記録したのは、またしても加藤大翔。これで加藤は3大会のレース1全てでポールポジションを獲得。シリーズポイントで加藤を追う佐野雄城が予選2位につけ、ポイント首位の加藤にプレッシャーをかける。しかし加藤はレース1、レース2ともに重圧を跳ね除け、他を全く寄せ付けない盤石の走りで完勝。見事連勝でシリーズタイトルを獲得してみせた。

2022年シーズンにおいて圧倒的な強さを見せてきた加藤であったが、同一大会での連勝は初であった。それだけ、OK CHAMPのレースフォーマットは連勝が難しく、また参加ドライバーのレベルも高く拮抗しているということも明らかとなった。

 

 

シリーズ発足当初から高い注目を集めたEXGEL OK CHAMPは、2022年シーズンにさらなる発展を遂げ成功裏に終えることとなった。フル参戦を果たしたロニー・クインタレッリの影響も大きく、カートへの変わらぬ情熱と向上心は、多くの若手ドライバーにインスピレーションを与えた。またEXGEL OK CHAMPが初のカートレース観戦というモータースポーツファンも増え、鈴鹿サーキット南コースだけでなくオンラインでも盛り上がりを見せた。

 

 

シリーズタイトルを獲得した加藤大翔には、賞典としてフォーミュラカーのテスト走行の機会が与えられ、またヨーロッパのメジャーなカートレースへの遠征も決定。この充実した賞典もまた、EXGEL OK CHAMPならではの特色となっている。

 

 

EXGEL OK CHAMPは2023年シーズンに向け既に始動している。野村勇斗、加藤大翔に続くタレントの躍進が期待される。EXGEL Motorsport(株式会社加地)は、国内カートから世界へと羽ばたくドライバーたちを、これからも支援していく。

 

 

EXGEL Motorsport (株式会社加地) 代表 小川要


まずは、今シーズンの大会運営に際しご協力いただいたタイヤメーカーをはじめとするサプライヤー各社様、協賛企業各社様、運営に尽力いただいたKRP様、開催にご協力いただいたモビリティランド様、そして多数参加いただいたエントラントとドライバーの皆様に感謝申し上げます。

今シーズンも大会運営やプロモーションにおいては様々な新しい試みを取り入れ、参加者だけでなくファンの皆様にも楽しんでいただけるシリーズになったのではないかと思います。このような活動を今後も続け、新しいタレントが海外に向けて羽ばたいていくための支援を行っていきたいと思います。

チャンピオンに輝いた加藤大翔選手は当社のサポートを目指してNEXT CUPから参戦してくれていましたが、決してこれまで楽に勝ち上がってきたわけではありません。この1年の加藤選手の成長は本当に目覚しく、我々としては加藤選手のような原石が光り輝くようになるための、フェアでオープンな環境づくりが責務であるとあらためて感じました。

国内のカートを取り巻く環境は大きく変わりつつありますが、同じ価値観を持つ皆様とより一層協力して、さらに充実したシリーズとなるよう努力してまいります。

 

EXGEL OK CHAMP 2022 シリーズチャンピオン 加藤大翔



僕の夢はF1ドライバーになることです。
F1ドライバーになるためには、ヨーロッパで結果を残さなければなりません。
その目標に近づくため、2020年にEXGEL NEXT CUPに参戦しました。

そこでチャンピオンを獲得するとカート世界選手権に参加できるためです。

しかし僕が未熟だったため、結果を残すことができませんでした。

2021年には絶対にチャンピオンを獲ろうと考えていましたが、コロナの影響でEXGEL NEXT CUPが中止になってしまいました。
そして2022年、EXGEL OK CHAMPに今年こそは、と強い思いを持って挑みました。
タイヤメーカー3社のタイヤがそれぞれ違う特性だったので、アジャストする事がとても楽しかったです。
そして遂に、たくさんの支えをいただき念願のチャンピオンになる事ができました。
賞典として参加させていただくヨーロッパのレースでは、悔いの無い走りをしてインパクトのある結果を残したいです。
この貴重な機会を、今後世界で活躍できるドライバーになるための大きな一歩にしていきたいと思います。