2024年、EXGELがタイトルスポンサーを務めるチャンプカートシリーズのフラッグシップカテゴリーがOKからROTAX MAXに移行し、3月3日鈴鹿サーキット南コースで迎えた開幕ラウンド。ジュニア・シニアの2クラスで49台のエントリーを集め、注目のレースウィークがスタートした。
この新生MAXチャンプシリーズはこれまで開催されてきた鈴鹿選手権におけるジュニアMAXとシニアMAXにEXGELがタイトルスポンサーとして加わる形で、アメリカとの交換留学などのプログラムを提供。日米交流のアンバサダーにROTAX MAX世界大会を2度制した経験を持つ、スーパーフォミュラ・スーパーGTドライバーである笹原右京を任命するなど、開幕前から注目を集めていた。
レギュレーションやポイントシステムなどは鈴鹿選手権のままとし、参加者にとってわかりやすい運営となっている。全5ラウンドの選手権のうち、4ラウンドまでの各クラスポイント最上位のドライバーがアメリカで開催されるUS TROPHY FINALにEXGELのサポートで参戦することができる。
なおMAXチャンプシリーズにはミニMAXも含まれており、3月30日にフェスティカサーキット瑞浪で開幕を迎える。
タイムトライアルでトップタイムを記録したのは、昨年もジュニアMAXに参戦していた澤田龍征。僅差の2番手に江本傑、3番手には手塚大雅が続いた。
澤田龍征
続く予選ヒートも澤田龍征が安定感ある走りでトップを堅守。2位にはタイムトライアル5番手から上げてきた横山輝翔、ほぼ同着の3位に手塚大雅が入った。
手塚大雅
そして迎えた決勝は、予選ヒート上位3名の澤田、横山、手塚のマッチレースの様相となり、終盤は横山が澤田を激しく攻める展開に。激しいながらもフェアなバトルが続き、勝負はファイナルラップの最終コーナーに持ち込まれることとなった。
前:澤田龍征 後:横山輝翔
左:手塚大雅 中央:澤田龍征 右:横山輝翔
左:澤田龍征 右:横山輝翔
最終コーナーでブロックラインをとった澤田のラインを読み切った横山が、巧みにクロスラインを仕掛ける。手塚も含めた3台がほぼ横並びでフィニッシュラインに向けて立ち上がり、僅差のトップチェッカーを受けたのは横山。しかし歓喜のチェッカーから一転、横山はレース後にコリドー違反によるタイム加算のペナルティを受け降格。優勝は澤田、2位に手塚、3位には吉田侍玄という結果になった。
澤田龍征コメント:
「今回のレースで決勝は、後ろばかり気にしてしまい集中して走れなくてミスをしてしまったけど優勝できて良かったです!次はもっと集中してミスなしで完全勝利します!」
TGRドライバーの平良響や、昨年EXGEL OK CHAMPでタイトルを獲得し今シーズンはFIA-F4に挑戦する鈴木斗輝哉も参戦し注目の高まったシニアクラス。
タイムトライアルでトップタイムを叩き出したのは、昨年鈴鹿選手権ジュニアMAXでタイトルを獲得したクインティン・ルゥ。2番手に金子准也、3番手に白石いつもが続くが、なんとトップから0.1秒の中に9人、0.2秒の中に17人がひしめき合う稀に見る大混戦となった。EXGELがフラッグシップカテゴリーをROTAX MAXに移行した狙いの一つである、レベルの高いイコールコンディションが早速タイムトライアルから具現化することとなった。
クインティン・ルゥ
予選ヒートはクインティン・ルゥを金子准也がピッタリとマークし逃がさない展開。少しギャップを置いて3番手にはタイムトライアル9番手から追い上げてきた平良響が続いた。しかし予選ヒート終了後に平良にはコリドー違反によるタイムペナルティが加算され降格。予選ヒート3位には土橋皇太が繰り上がることとなった。
そして迎えた決勝ヒートは、クインティン・ルゥが盤石のペースで2位以下を引き離す展開に。2位争いは土橋皇太、木村真宙、津野熊凌大、金子准也に絞られた。
クインティンは最後までペースを落とさず、シニアクラスにステップアップした初戦を圧勝。2位に土橋、3位に木村という順位で接戦のシニアMAX決勝を終えた。注目の平良響は9番手スタートから3つ上げて6位、鈴木斗輝哉は27番手スタートからなんと20ポジションのジャンプアップで7位に入り、見せ場を作った。
クインティン・ルゥ
クインティン・ルゥ コメント:
「シニアクラスに上がり、今年のレースを楽しみにしていました。多くの挑戦が必要となりますが、経験豊富なドライバーたちとレースできることを誇りに思います。」
「シニアで最初のレースが鈴鹿であったことは、幸運でした。自分はここで多くのことを学んできました。そしてシーズン最初のレースを勝利で終えることができ、とても良いスタートを切ることができました。」
「今回主催者がスーパーフォーミュラ・スーパーGTのドライバーである笹原右京選手を招いていました。そのような素晴らしいドライバーに会うと自分はいつもインスパイアされ、情熱と力が湧いてきます。」
「自分を支えてくれたチームとスポンサーの皆さんに感謝します。そして自分をいつも助け、サポートしてくれる皆さん全員にありがとう、と言いたいです。2024年良いスタートを切ることができたので、このペースを維持していきます!」