EXGEL Motor Sport

EXGEL MAX CHAMP 2024 Suzuka Junior/Senior Round5 & Mini Special Round

新生EXGEL MAX チャンプはシーズンクライマックスへ

 

2024年あらたにスタートしたカートレース“EXGEL MAXチャンプ”が、8月11日 鈴鹿サーキット南コースで最終ラウンドを迎えた。ジュニア・シニアは既に鈴鹿で4ラウンドが開催されており、ミニについてはフェスティカサーキット瑞浪での4ラウンドを経て、鈴鹿では今大会が初開催となった。
またEXGEL MAXチャンプの最も際立った特色である日米交換留学プログラムが、鈴鹿に2名のドライバーを米国シリーズから招き、具現化することとなった。
決勝日の会場にはかつてROTAX MAXシリーズを戦い世界大会であるグランドファイナルへの出場経験もある、TOYOTA GAZOO Racing WRTの勝田貴元選手も姿を見せ熱戦を見守った。勝田選手はEXGEL MAXチャンプの趣旨に賛同し、シリーズに参戦するドライバーたちをラリージャパンへ招待する企画を発表していた。
異常気象ともいえる酷暑の中、これまでの4ラウンドを上回る熱気を帯びたレースウィークとなった。

 

EXGEL MAX CHAMP ミニMAX Special Round

 
公式予選 
14台が出走した公式予選で、トップタイムをマークしたのは飯田一仁。2番手に林樹生、3番手に島津舞央、4番手には交換留学に選抜されたJaxon Porterが続いた。Porterは鈴鹿で僅か2日間しか練習の機会がなかったが、早くも米国シリーズチャンピオンドライバーのポテンシャルを発揮してみせた。

飯田一仁
飯田一仁

林樹生
林樹生

島津舞央
島津舞央

Jaxon Porter
Jaxon Porter

予選ヒート
ホールショットを奪ったのはセカンドスタートの林。その後飯田がトップを奪い返すと一旦トップ争いは落ち着きを見せるが、最速ラップを更新しながら猛烈な勢いでトップ集団に追いついたのは9番手からスタートした新橋武だった。新橋は次々とトップ集団のドライバーをパスしトップでチェッカーフラグを受けることに成功。2番手には鈴鹿初レースとは思えない堂々たる走りを見せたPorterが入り、3番手に林、4番手にはポールスタートの飯田が続いた。


新橋を追う飯田、Porter


予選ヒートをトップで終える新橋

決勝ヒート
好スタートを決めたPorterが1コーナーで先行するが、続く2コーナーでインを奪おうとする新橋とラインが交錯。ここで新橋は最後尾まで順位を落としてしまう。その間隙を縫うように飯田がトップに立ち、林、Porterが続いてオープニングラップを終えた。このトップ3にレース序盤一気に仕掛けてきたのが7番手スタートの柴崎尊だった。柴崎は一時トップを奪うことに成功するも、レース中盤以降はPorter、林、飯田のペースが上回り、この3台による優勝争いに焦点が絞られていった。
レース終盤までトップを守っていたPorterをラスト3周で林が仕留め、ファイナルラップには飯田もPorterを果敢にオーバーテイク。しかし最終コーナーではPorterがアグレッシブにポジションを奪い返して見せた。優勝はクレバーなレース運びを見せた林、2位にPorter、3位に飯田が入り、大接戦となった鈴鹿初開催のミニのレースが終了した。

瑞浪4ラウンドのポイントと合算したシリーズランキングでは、林がミニのシリーズチャンピオンに輝いた。2位に藤原迪永、3位にはハンジョン(ともに鈴鹿ラウンド欠場)が入り今シーズンの全ラウンドを終了した。


ミニ決勝のスターティンググリッド


トップチェッカーの林


林は今シーズンMAX CHAMP初優勝


Porterは殊勲の2位表彰台


ミニ表彰台


ミニ シリーズタイトルは林が獲得

林樹生コメント:

「まずは、チームのみなさんに感謝します。練習走行から速さがあり、それを優勝につなげられて良かったです。鈴鹿でわずか5セッションしか練習していないのにトップ争いをするJaxonの速さには驚きましたが、日本のレースで勝てたのはうれしかったです。アメリカでは僕もJaxonのような活躍ができるように頑張ってきます。」

 

EXGEL MAX CHAMP ジュニアMAX Round 5

 
公式予選 
ジュニアの最終ラウンドには17台が出走。朝の公式予選では手塚大雅が最速、2番手にはラウンド3で優勝した楠本心真、3番手にはラウンド4優勝の坂野太絃と、有力ドライバーが上位を占めた。既にシリーズチャンピオンを決めている澤田龍征はやや出遅れ6番手で公式予選を終えた。

手塚大雅
手塚大雅

楠本心真
楠本心真

坂野太絃
坂野太絃

澤田龍征
澤田龍征

予選ヒート
ポールの手塚は危なげないスタートでトップを堅守、2番手にはスタートで楠本をかわした坂野が浮上しオープニングラップを終えた。手塚、坂野、楠本によるトップ3はこう着状態のままヒートは終盤へ。その後方では4番手を走行する白石麗が後方に迫るチャンピオン澤田を抑える展開となった。
予選ヒートはこのままの順位で終了し、トップチェッカーは手塚、2番手坂野、3番手には楠本が続いた。


トップを守る手塚

決勝ヒート
ポールの手塚が好スタートを決めた一方、2番手スタートの坂野と3番手スタートの楠本は若干の接触もあり遅れをとった。その後方では澤田が4番手に浮上しオープニングラップを終える。
序盤に早くもマージンを築いた手塚を、楠本を振り切った坂野が懸命に追う。坂野はレース終盤に差しかかる12周目、ついに手塚を捉えトップに立つ。しかし手塚も譲らず、坂野と激しくトップを奪い合う展開に。この攻防により3番手を走行していた澤田が一気にトップ2とのギャップを詰め、手塚、澤田、坂野の順でファイナルラップに突入した。
猛追を見せた澤田だったが、トップの手塚には最終コーナーでも僅かに届かず。優勝は今シーズン初勝利となった手塚、2位にチャンピオン澤田、3位には多くの見せ場を作った坂野が入った。

シリーズランキングでは既に前戦で澤田がタイトルを確定しており、最終ラウンドのポイントにより手塚が2位に浮上、3位に坂野が入り2024年シーズンを終えた。


ジュニア決勝のスターティンググリッド


トップチェッカーは手塚


ジュニア表彰式


ジュニアチャンピオンは澤田、2位手塚、3位坂野

手塚大雅コメント:

「今回のレースは皆木駿輔選手、Zi-ViVre代表の中根さんの2人がメカニックについてくれました。そのおかげで金曜日の練習走行から調子が良く、パーフェクトに優勝することが出来ました。今まで支えてきてくれたチームの皆さんに本当に感謝しています。これからも優勝目指して頑張ります!」

 

EXGEL MAX CHAMP シニアMAX Round 5

 
公式予選
フルグリッドに迫る33台が出走したシニア。米国シリーズから交換留学の選抜として、カナダ人ドライバーのGriffin Dowlerもエントリーを果たした。
公式予選のトップタイムは、これまでシリーズをリードしてきたクインティン・ルゥ。2番手に一宮總太朗、3番手には石山京也と続く。トップタイムからコンマ1秒の中に10台が連なる大接戦で、ROTAX MAXのレースを象徴するかのような予選結果となった。


クインティン・ルゥ


一宮總太朗


石山京也

予選ヒート
ゆっくりとしたペースのローリングから好スタートを決めるルゥの後方で、セカンドスタートの一宮が後退。代わって小山田隼と植田晴斗が2番手、3番手に浮上。このトップ3の後方では激しいポジション争いが続き、レース中盤には12番手スタートの金子准也が4番手まで浮上してきた。
トップのルゥは安全なマージンを築いてトップチェッカー。2番手にはラスト2周で小山田を仕留めた植田が入った。3番手フィニッシュの小山田にはヒート後ペナルティが課せられ、繰り上がって3番手は一宮、4番手に金子となった。


予選ヒートで追い上げを見せた金子

決勝ヒート
またしても好スタートを決めるルゥに1コーナーで仕掛けていったのは、4番手スタートの金子だった。ギリギリの攻防でルゥがトップを守る一方、セカンドの植田は後方集団に飲み込まれていく。オープニングラップ終了時点でトップはルゥ、2番手金子、3番手一宮というオーダーとなった。
レース中盤もルゥがマージンを保ち、2番手には一宮が浮上、3番手グループは金子と土橋皇太、門田翔成が競い合う展開となった。
レース終盤もトップのルゥと2番手の一宮の差は縮まらず、ルゥが全セッション完勝を達成。2位には一宮、3位には激しい接戦を制した門田が入賞した。

シリーズランキングはルゥが圧倒的な差を築きタイトル獲得。シリーズ2位には金子、3位に門田となった。この上位3名には、勝田貴元選手からの賞典としてラリージャパンのサービスパークへの招待が授与された。


シニア決勝のスターティンググリッド


シニア ローリングスタート


トップチェッカーを受けるルゥ


3位まで追い上げた門田


シニア表彰式


シニアのチャンピオンはルゥ、2位金子、3位門田

インティン ルゥ コメント:

「今回の鈴鹿は自分のROTAXのトータルポイントにも影響するので、重要な大会でした。絶対に勝つつもりでした!
そのために全集中していたので、優勝して鈴鹿のチャンピオンになれたことをとても嬉しく思います。チームEMATYと栄光からのサポート、そしてスポンサー各社とEXGELに感謝します。
また今大会参加したアメリカのドライバーたちとも交流でき、学ばせてもらったところもありました。次は交換留学の選抜ドライバーとして、自分もアメリカで頑張ってきます!」

 


左から日本代表の澤田龍征(ジュニア)、クインティン・ルゥ(シニア)、林樹生(ミニ)
米国代表のJaxon Porter (ミニ)、Griffin Dowler (シニア)

EXGEL MAXチャンプの象徴的な賞典である日米交換留学は、まず米国シリーズからミニ・シニアのドライバーを鈴鹿に招きプログラムの前半が終了した(※ジュニアの招待選手は選手側の都合によりキャンセルとなった)。
続いて、日本選抜のミニ・ジュニア・シニアの3名のドライバーが8月22日-25日にインディアナポリス近郊のニューキャッスルで開催される、US TROPHY FINALに参戦する。大会スケジュールの都合上、日本選抜の選考はラウンド4終了時点で確定していたが、結果として選抜された3名全員が各クラスのタイトルを獲得することとなり、この上ない形で米国最終大会に派遣されることとなった。

日米交換留学プログラムにおいては、競技の枠だけにとどまらない国際交流の実現を目指している。
今大会に参加したドライバー2名は初めて日本の地に降り立ち、文化の違いにも感銘を受ける様子が見受けられた。また日本のドライバーたちにも暖かく受け入れられ、素晴らしい交流の場が生まれることとなった。続く米国での大会においても、日本の選抜ドライバーたちが同様の貴重な経験を重ねることが期待される。